ChatGPT 機能紹介① ~Deep Research~

こんにちは! エス・ワイ・シーの秀高です。
最近は初夏の陽気で過ごしやすい日が増えてきましたね。
今回はChat GPTの機能である「Deep Research」の紹介を行っていきたいと思います。
今話題のChatGPTの強力な調査機能 Deep Research について、その概要や活用方法、そして精度や信頼性まで、インフラエンジニアにも一般の方にも伝わるようにわかりやすくご紹介します。
また、実際にこのブログ記事を書くにあたってDeep Researchで調査を行った結果も載せています。
それではさっそく本題に入りましょう。
リサーチ、どうしてますか?
皆さんは日々の情報収集やリサーチ作業をどのように行っていますか?新しい技術の詳細や製品比較、業務改善のヒント探しなど、インターネットで調べものをする機会は多いですよね。
インフラエンジニアであれば、ベンダーごとの製品仕様を調べて比較検討したり、システム構成の事例を探したり、価格情報を集めたりと、かなりの時間を調査に費やすこともあるでしょう。
しかし、検索エンジンでヒットした記事を一つ一つ読んで手動でまとめるのは大変です。
膨大な資料に目を通す作業は時間がかかり、見落としや偏りも起こりがちです。
「もっと効率よく正確にリサーチできたら…」 そんな願いを叶えてくれるのが、ChatGPTの機能である Deep Research です。
Deep Researchとは?
Deep Research とは、AIがインターネット上の情報を自動で調査・分析・要約してくれるChatGPTの高度なリサーチ機能です。
通常のChatGPTがユーザーの質問に対してその場で知識を引き出して回答するのに対し、Deep Researchでは質問に関連する情報を自らWeb上に探しに行き、深掘りした上でレポートのような形にまとめてくれる点が大きな特徴です。
例えば「○○社と△△社のVPN(仮想プライベートネットワーク)サービスの比較をまとめて」といった依頼でも、ただ知っている範囲で答えるのではなく自動で資料を収集し、両社のサービス特徴や違いを比較したレポートを作成してくれます。
ChatGPTの画面上では、通常の対話モードとは別に「Deep research」というボタンが用意されており、これを選択して質問を入力するとエージェントが起動します。
以下の画像はChatGPTのUI上でDeep Researchモードを選択するボタンの例です。
私の画面では、利用可能な回数は残り22回となっています。
(こちらの利用回数については、後ほど説明を行います!)

Deep Researchの使い方
Deep Researchでは、ユーザーが質問を入力すると、あとはAIが自動で調査を進めてくれます。
- まず、必要に応じてAIから補足の質問で内容の詳細確認
- 続いて、AIが自分で検索キーワードを考え、ネット上の情報を収集
- 調査の様子(検索内容・見ているサイトなど)はリアルタイムで確認可能
- 最後に、出典付きのレポート形式で結果を提示してくれます
また、Deep Researchではファイルやデータの分析も可能です。
PDFや画像ファイルの内容を要約したり、数値データからグラフを作成することもできます。
たとえば、サーバのログやデータのシートを渡すと、AIが自動で分析し、レポートにまとめてくれるといった使い方も可能です。
これまで人手が必要だった図表つきの分析資料も、AIに任せられるのは大きな強みです。
Deep Researchは誰でも使えるの?
このように画期的なDeep Researchですが、利用するにはプランごとの利用回数制限があります。
当初は有料のProプラン専用機能でしたが、現在は無料プランでも月5回まで試すことができ、PlusやTeamプランではより多く、Proプランでは最大250回と、大幅に利用枠が拡大されています。
プラン別の利用可能回数は以下の通りです。(2025年5月現在)
プラン | 合計回数/月 | フル機能(高度版) | 軽量版(ライト版) | 備考 |
---|---|---|---|---|
Free(無料) | 5回 | 0回 | 5回 | ライト版のみ利用可能 |
Plus / Team | 25回 | 10回 | 15回 | バランスよく利用可能 |
Pro(プロ) | 250回 | 125回 | 125回 | 最大限活用できる上位プラン |
Enterprise(法人) | 10回 | 10回(※) | 0回 | 現在は試験的に提供中(回数変動あり) |
※ライト版…高性能モデルではなく軽量モデル (OpenAI o4-mini) で実行されるDeep Research
このように、現在では無料ユーザーでも月5回までDeep Researchを利用可能となっています。
Plusやチームプランの方はより余裕のある回数で試せますので、ぜひ活用してみてください。
Deep Researchで実践調査!
弊社ではTeamプランを契約しており、社内でもDeep Researchを活用する機会が増えています。
先日、社員のSさんと「今使っているDeep Researchのモデルがフル機能版なのか、それとも軽量版なのかって、どこで確認できるんだろう?」という話になりました。
そこで今回は、せっかくの機会なのでこの疑問に対する回答を、実際にDeep Researchを使って調べてみることにしました!
- 現在利用しているDeep Researchのモデルがフル機能版なのか、軽量版なのかを確認する方法を知りたい。
- 具体的に確認できる場所等の情報も知りたい。
- Deep Researchを使用する際の実行時間について教えて。
という旨の依頼を行います。
それでは行っていきます!
- プロンプト(依頼文)を入力し、Deep Researhを実行
- AIからの補足の質問に回答
- Deep Researchによるリサーチが開始
- リサーチの状況は[アクティビティ]から確認可能
- リサーチが完了すると、自動で結果をまとめ出力
※長すぎるので一部抜粋 - 最下部に出典について明記
情報が長すぎるので、端的に表形式にまとめてもらいました。
こちらの方が分かりやすいですね。
項目 | 内容 |
---|---|
切り替えの挙動 | 上限に達すると自動で軽量版に切り替わる (手動選択は不可) |
利用カウントの確認 | ChatGPTの「Deep Research」ボタンにカーソルを合わせると残り回数が表示される |
使用回数のリセット | 最初の使用日から30日単位でロール制 (毎月1日固定ではない) |
モデル種別 | ベースモデル | 処理内容の特徴 | 実行時間の目安 |
---|---|---|---|
フル機能版 | o3 | 検索+資料要約+詳細レポート生成 (多段階処理) | 約10〜30分 (重いと30分超) |
軽量版 | o4-mini | 簡略化処理・簡潔出力 (高速) | 約5〜20分 (平均やや短い) |

質問に対して、欲しい回答が全て網羅されていると思います!
ただ、”Deep” Researchと名乗るだけあって出力情報が長すぎるのでコンパクトにまとめてもらう処理が必要ですね。。
ちなみに今回の実行時間は9分25秒でした。
Deep Researchで何ができる?活用シーン紹介
では、具体的にDeep Researchを使うとどんなことができるのでしょうか?ここではいくつかの活用シーンをご紹介します。
活用シーン | できること | 主な用途例 |
---|---|---|
調査・情報収集 | 複数の情報源から要点を集めて構造化レポートを生成。技術トレンドや市場動向などの要約が可能。 | 「○〇の最新動向は?」 → ニュースや論文から要約 |
比較検討・意思決定支援 | 製品・サービスの特徴を自動比較し、価格やメリット・デメリットを整理。提案書の叩き台にも使える。 | 「AとBのストレージ機器の違いは?」 → 特徴・価格・比較レポート |
技術動向の把握 | 業界の最新トレンドを横断的に収集。ブログ、ホワイトペーパー、フォーラムから重要情報を抽出。 | 「仮想化環境のトレンドは?」 → 重要キーワードを整理 |
インフラ設計・運用支援 | 構成図やログからのアドバイスなど、実務の設計・検討にも対応。 | 「○〇を実現するための機器構成例は?」 → 公式文書や事例を収集し提案形式で出力 |
Deep Researchの精度と信頼性
Deep Researchは高性能とはいえ、AIによる自動調査の精度や信頼性は気になるポイントですよね。
結論から言えば、従来のChatGPTより格段に根拠の明示と論理性が高まっていますが、情報の最新性やソースの質に関しては注意も必要です。
- 出典が明示されていて安心
Deep Researchの最大の特徴は、調べた情報に必ず出典リンクが付いていること。
どの記事を参考にしたのかが一目でわかるため、裏付けのある回答が得られ、安心して活用できます。回答内容も単なる要約にとどまらず
・統計データ
・具体例を交えた分析
などが含まれており、単なる検索とは一線を画しています。 - 情報の正確性には留意が必要
Deep Researchは非常に優れたリサーチ支援ツールですが、その出力内容には限界があります。以下の点に注意して活用ください。
・情報が常に最新・正確とは限りません
時には古い情報や誤った内容が引用されることがあります。
・出力結果はあくまで参考情報です
AIが生成した内容は、必ず人間の目で確認し、必要に応じて信頼できる情報源と照らし合わせることが重要です。
・最終的な判断はユーザー自身に委ねられます
Deep Researchはあくまでリサーチの補助ツールであり、意思決定や公式な文書作成においては、ユーザー自身の確認と判断が不可欠です。
おまけ
実際に使っていると、ふと気になるのが「精度の違い」。
フル機能版と軽量版では、実際どれくらい回答の精度に差が出るのでしょうか?
せっかくなので、こちらもあわせて検証してみたいと思います。
比較方法としては、先ほどのSさんとの話題「今使っているDeep Researchのモデルがフル機能版なのか、それとも軽量版なのかって、どこで確認できるんだろう?」を軽量版のDeep Research(無料プラン)にも回答してもらい、PDFに出力した結果を見比べていきたいと思います。

モデル種別 | 出力文字数 | 実行時間 | 特徴 |
---|---|---|---|
フル機能版 | 6,468文字 | 9分25秒 | 非常に詳細・長文・網羅的な内容 |
軽量版 | 2,623文字 | 5分28秒 | 簡潔で要点がまとまった短めの出力 |

今回の例だと出力文字数が2倍以上違うんですね。
PDFに出力すると、フル機能版が4枚、軽量版が2枚となっていました!
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回はChatGPTの『カスタムGPT』について紹介する予定です!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回の記事もどうぞお楽しみに!