Nutanix Moveで古いRHELを移行してみました
こんにちは!エス・ワイ・シーの岡本です。
昨今HCIに乗り換える企業様も増えていますが、どうしても課題となるのが仮想マシンの移行です。
状況に応じて複数の移行手段を用意するかと思いますが、サポートが終了しているOSは移行時にトラブルになりがちです・・・
弊社としてもサポートが切れたシステムを使用し続けるのは推奨いたしませんが、どうしてもOS上のアプリが新しいOSに対応していないなどの理由でそのまま移行を望まれる企業様もいらっしゃいます。
今回はHCIの中でも定番となっているNutanixを導入する際、無償で利用できるMoveを用いた移行検証を行いました!
まずNutanixがサポートしているRHELゲストOSは以下の通りです。
https://portal.nutanix.com/page/documents/compatibility-interoperability-matrix/guestos
RHEL5.11より前のバージョンはサポートしていないようですので、RHEL5.11で検証してみます。
(さすがに古すぎですが・・・)
ESXi上にRHEL5.11を構築、MoveはNutanix側にアプライアンスとして構築します。
Moveは構築後、GUIで移行元、移行先を簡単に登録できます。
そして移行対象の仮想マシンを選択していきます。通常はMoveがVMware Toolsのアンインストール、Nutanixで必要なVirtIOドライバのインストールを自動で行ってくれます・・・が、古いLinuxにはVMware Toolsが入っていないことも多いかと思います。
従って移行設定時に以下赤枠内を「Automatic」から「Manual」に変更し、VMware Toolsのアンインストール処理をスキップさせる必要があります。
VMware Toolsのアンインストールをスキップするということは、VirtIOも移行前に手動でインストールが必要になります。
手順についてはNutanix社のサイトに記載されています。
https://portal.nutanix.com/page/documents/kbs/details?targetId=kA032000000TTizCAG
準備が出来たら今度こそMoveで移行です。Moveは仮想マシン起動状態でデータシーディングを行い、デフォルトでは10分ごとに差分同期が実施されます。
実際に切り替える際はカットオーバーというボタンをクリックすれば、移行元仮想マシンが停止し、最終同期が実行されたのち、移行先で仮想マシンが起動します。
通常はこれで完了ですが、ここでもう一度OSサポート情報をご覧ください。
「STORAGE」の欄、「SCSI」にチェックが入ってませんね?(;’∀’)
移行元がSCSIだった場合、ストレージバスタイプをPCIに変更してあげなければ、kernel panicでOSが起動しません。
これでOS起動までこぎつけました。最後にVMware Toolsの代わりに、Nutanix Guest Tools(NGT)をインストール・・・と言いたいところですが、残念ながらこのOSバージョンではインストールすることが出来ません。
NGTインストールにはpythonが利用されている為、古いOSですと必要なパッケージが軒並み要件チェックに引っかかってエラー祭りです。
全てのパッケージをアップデートすればいけるかもしれませんが、そこまでやるとOS上で動かしているアプリケーションに多大な影響が出る可能性があります。
結論としましては、古いOSでもNutanix Moveで移行することは可能です。ただし、移行前と同様塩漬けの運用になるかと思います。
念の為古いOSのまま移行しておいて、可能であれば新しいOSでシステムを再構築する、という流れが無難ですね。
逆にこういった古いOSがなければ、簡単に仮想マシンの移行が可能です。
移行に際し二の足を踏まれている企業様がいらっしゃれば、是非弊社にご相談頂ければと思います!