凄いネットワークは嫌いか?

もし、利用者目線で見ているのなら No。
もし、構成組む側の目線で見ているのなら Yes。ぁ、ぃゃぃゃ、No、No。

こんにちは、エス・ワイ・シーの松本です。

何と言いますか、普段よく使う/構築するネットワークスイッチは 1Gbps、SFP+ ポートなどで 10Gbps のポートがあったり、
たくさんポートはないにしても、QSFP+ ポートで 最大 40Gbps のポートが備わっていたりします。

しかし、ひとたび重要なポジションでハイパフォーマンスが要求されるスイッチを触るとなると、
仕様がいろいろあってちょっとわかりにくいなぁ、と遠くを見つめてみたりします。

全部が全部この通りということではないかもしれませんが、今後のネットワークスイッチを見ていく上で
大切そうなところをメモしておきたいと思います。

コネクタ形状

名称読み参考特徴
RJ-45あーるじぇー・よんじゅうごRegistered-Jack 45いわゆる普通の LAN ケーブルコネクタ形状。1G or 10G
SFP
SFP+
えすえふぴー
えすえふぴーぷらす
Small Form-factor Pluggable transceiver四角いソケット形状で、四角柱のようなモジュールを取り付ける。
主に通信用光ファイバーケーブルを接続するためのモジュールを利用する。
SFP = 1G、SFP+=10G、QSFP+ = 40G
SFP+/QSFP+ はスイッチのスタッキング用に
DACケーブル/AOCケーブルが接続されることもある。
SFP28えすえふぴーにーはちSmall Form-factor Pluggable 28transceiverSFP に似た四角いソケット形状で、四角柱のようなモジュールを取り付ける。
主に通信用光ファイバーケーブルを接続するためのモジュールを利用する。
SFP28 = 25G / QSFP28 = 100G
スイッチのスタッキング用に
DACケーブル/AOCケーブルが接続されることもある。
QSFP+
QSFP28
きゅーえすえふぴーぷらす
きゅーえすえふぴーにーはち
Quad SFP+ / Quad SFP28SFP+ や SFP28 を 4 個束ねたようなポート。
QSFP+ = 10G x 4 = 40G
QSFP28 = 25G x 4 = 100G
それぞれ最大速度 40G / 100G の 1 ポートとして利用可能ですが、
4 分割アダプタを中継することで SFP+ x 4 または SFP28 x 4 のポートに変換が
可能。

SFP / SFP+ / QSFP+ までは何となくよく見るけれど、SFP28 / QSFP28 て結構いいやつじゃないとついてない感じのポートです。

ポート形状が違うなぁ、最大転送速度違うなぁ、と思い始めると気になるのは既存のスイッチや、同時に導入するスイッチとの接続互換性てどうなの?
という点でしょうか。ぱっと見ではどこまで互換性があるのかよくわからないですよね。

オートネゴシエーションで双方自動リンクアップするかどうかは別問題として、
何をおいても設定可能な転送レートが同じでないと互換性ない、ということになります。

以下はあくまで参考情報となりますが、互換性ありそうかどうかの目安にはなるかもしれない情報を記載します。
※ HPE 社製スイッチ調べ。speed コマンドで指定可能な転送速度。

略称名称コネクタ形状Speed
GEGigabitEthernetRJ-45
SFP
10
100
1000
auto
XGETen-GigabitEthernetRJ-45
SFP+
SFP28
10
100
1000
(2500) #1
(5000) #1
10000
auto
WGETwenty-FiveGigESFP281000
10000
25000
auto
FGEFortyGigEQSFP+
QSFP28
40000
auto
HGEHundredGigEQSFP2840000
100000
auto

#1 Speed = 2500 or 5000 = 2.5Gbps / 5Gbps は RJ-45 タイプのコネクタで HPE Smart Rate 対応スイッチとの通信時に利用されるかもしれない
 速度です。10G の速度利用時 Cat.6 ケーブル必要ですが、 Cat.5e ケーブルでも環境ノイズなど影響が少ない場合、対応スイッチ間で
 最大速度を 2.5Gbps / 5Gbps まで引き上げることが可能です。

その他あくまで、お触り出来た装置での情報ではありますが。

・WGE – XGE(SFP+) を 10G SFP+ モジュールで光ファイバ結線する際に、オートネゴシエーションでリンクアップせず、WGE 側へ speed 10000 を指定し
 10Gbps 固定が必要。

・WGE – XGE(SFP+) or WGE – GE(SFP) を 1G SFP モジュールで光ファイバ結線する際に、オートネゴシエーションでリンクアップせず、WGE 側へ speed 1000 を
 指定し、1Gbps 固定が必要。対抗が XGE ポートの場合、相手側も speed 1000 で固定しないとダメなときがある。

・WGE のポートで speed 固定する時、隣接する4ポートずつがブロック単位で固定される可能性あり。
 例) WGE 1/0/1 を speed 10000 で固定する時、同時に WGE 1/0/2~4 も speed 10000 となり、WGE 1/0/2 を 1Gbps で使いたくても使えない。

・XGE (RJ-45) や XGE (SFP RJ-45コネクタ) で、PC の 1G NIC とはオートネゴシエーションで問題無くリンクアップして動作する。

・AOC ケーブルは良さそうだけれどお高いから DAC ケーブルにする、、、太くて取り回しに苦労する可能性あり。

・HPE Comware 系スイッチと HPE Aruba 系スイッチの SFP モジュールは互換性ないので、必要に応じて それぞれ用の SFP+モジュールと光ケーブル、
 または RJ-45 LANケーブルで接続する。

・XGE ポートで、speed コマンドでは 100Mbps 選択できそうなのに、実際に設定を試みると not support と表示されて設定できないことがある。
 speed auto でオートネゴシエーションを試みても対向が 100Mbps の際にネゴシエーション出来ずリンクアップしないことがある。

もし、高性能スイッチの構成でポート種類と接続先の互換性ありそうかどうか悩んだら、いつでもこの記事を参照してください。
あなたの探している答えはここにあるかもしれない。